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地球の生き物の半分は昆虫?その種類の多さ

2026年7月公開 · 2026年10月更新 · 読了7分
地球の生き物の半分は昆虫?その種類の多さ

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人間が名前を付けた生き物は、およそ217万種です。そのうち約100万種が昆虫で、割合にすると46%。名前の付いた生き物の半分近くを、昆虫が占めています。

しかも、この100万種は地球にいる昆虫の一部にすぎません。全体はおよそ500万種、多い推定では1000万種とされ、大半はまだ名前がないままです。この記事では、昆虫の多さを数字で順にたどります。

名前のある生き物の46%が昆虫

データサイトのOur World in Dataは、国際自然保護連合(IUCN)の2025年の集計をもとに、記載済みの生き物を約217万種としています。記載とは、新しい種として名前を付け、論文で発表することです。

記載済みの種の数(Our World in Data、IUCN 2025年の集計をもとに作成)
グループ記載済みの種昆虫との比
生き物全体約217万種—
昆虫約100万種全体の約46%
うち甲虫35万〜40万種昆虫の約4割
爬虫類1万2000種あまり昆虫の約80分の1
鳥類1万1000種あまり昆虫の約90分の1
哺乳類6000種あまり昆虫の約170分の1

鳥と哺乳類と爬虫類を全部足しても、約3万種です。昆虫の100万種とは、桁が2つ違います。

資料によっては「生き物の半数以上が昆虫」と書かれます。英国王立昆虫学会は、昆虫は動物の種の最大90%、生き物全体の半分以上を占めると推定しています。細菌や菌類まで含めるか、動物だけで数えるかで、割合は動きます。どの数え方でも、昆虫が最大のグループであることは変わりません。

217万という数字にも、注意点が1つあります。同じ種に別々の名前が付いた「重複」が混ざっていることです。2013年の研究は、記載された種の約2割がこうした重複だと見積もりました。そうだとすると、実際に別の種として区別できるのは約170万種になります。

昆虫の4割近くが甲虫

昆虫の中で最大のグループは、カブトムシやテントウムシ、ゾウムシなどの仲間のコウチュウ目(甲虫)です。記載された種は35万〜40万種あり、昆虫全体の4割近くになります。

英国王立昆虫学会によると、甲虫に続いて多いのはチョウとガの仲間です。その次がハエやカの仲間、アリ・ハチの仲間と続きます。それでも甲虫1つのグループで、哺乳類のおよそ60倍の種がいます。

新しく見つかる種でも、甲虫は目立ちます。アリゾナ州立大学の国際種探査研究所によると、2009年に新たに記載された生き物は1万9232種でした。うち昆虫が9738種で、全体の50.6%。2位の植物(維管束植物)は2184種で11.3%なので、昆虫はその4倍以上です。甲虫だけで3485種あり、新種のおよそ5〜6種に1種が甲虫だった計算です。

全部で何種いるのか

まだ名前のない種まで含めた総数は、推定に大きな幅があります。これまでの推定は多いもので1億種以上、少ないもので200万種。50倍もの開きがありました。英国王立昆虫学会は、地球の昆虫は最大で1000万種いる可能性があるとしています。オーストラリアのグリフィス大学のナイジェル・ストーク教授は、自身が発表した約500万種という値が、合意された数字としてよく使われていると説明しています。

500万種で計算すると、名前が付いているのは約2割。残りの約8割、およそ400万種は、まだ誰も記載していないことになります。

新種の記載は、昆虫で年に1万種前後のペースです。2009年の9738種のペースが続くとすると、残る400万種に名前を付け終えるまで、およそ400年かかる計算になります。

記録された昆虫の種と、推定される総数
記録・記載された種推定される総数分かっている割合
世界約100万種約500万種(最大1000万種)約2割
日本約3万2000種10万種以上約3分の1

日本も例外ではありません。日本昆虫学会によると、日本から記録された昆虫は約3万2000種です。実際には10万種以上いると推定され、解明率は3分の1程度にとどまります。研究が進んだ国でも、昆虫の3分の2ほどは、まだ記録の外にいることになります。

数を増やした理由を数字で見る

昆虫がここまで種を増やした理由として、ノースカロライナ州立大学の昆虫学の教材は、外骨格・小さな体・飛ぶ力・高い繁殖力・完全変態の組み合わせを挙げています。昆虫は4億年以上前から地上で暮らし、少なくとも4回の大量絶滅を生き延びてきました。その強さを支えた特徴を、数字で見ます。

体が小さいと、1枚の葉の中や1個のどんぐりの中が、一生の住まいになります。1枚の葉の薄い内側を掘り進んで育つ幼虫(ハモグリ)や、1個のどんぐりの中で巣全体が暮らすアリが例です。すみかが細かく分かれるほど、別の種に分かれる余地が増えます。

完全変態では、幼虫と成虫で食べ物や暮らす場所を分けられます。チョウの幼虫は葉を食べ、成虫は花の蜜を吸います。親と子が同じ資源を取り合わないことが、昆虫の成功の一因とされています。

甲虫やチョウの仲間が、実際にどれほど形も色も違うのか。数字で追うより、標本の写真を並べて見るほうが、種類の多さを実感しやすい話です。

よくある疑問

種類だけでなく、数(匹数)も多いのですか?
多いと推定されています。英国王立昆虫学会によると、ある時点で生きている昆虫は、人1人あたり約14億匹です。すべての昆虫の重さを合わせると、すべての人間の約70倍になるとされます。
名前のない昆虫は、どこに多いのですか?
調査の手が届きにくい熱帯の森や、種類が多すぎて研究者の手が回らないグループに多いと考えられています。グリフィス大学の研究では、ボルネオのハネカクシ(甲虫の一種)252種と、オーストラリアの湿潤熱帯のキクイムシ107種が調べられました。キクイムシは、107種のうち58種が未記載でした。

まとめ

名前の付いた生き物約217万種のうち、昆虫は約100万種で46%を占めます。その4割近くが甲虫です。それでも名前が付いているのは推定される総数の約2割で、日本でも約3分の1にとどまります。

今のペースなら、すべての昆虫に名前が付くまで数百年かかります。次に庭や公園で小さな虫を見かけたら、図鑑で名前を探してみてください。名前が見つからない虫も、きっと出てきます。それが、まだ記録されていない種だという可能性もゼロではありません。

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