虹はなぜ7色なの?色の数の意外な真実
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虹の色は、赤から紫まで切れ目なく続いています。7色に区切ったのは、科学者アイザック・ニュートンです。しかも最初は5色で、音階の7音に合わせて2色を足しました。
色に境目がないことは、家で確かめられます。この記事では、庭のホースで虹を作る方法と、プリズムや分光シートで光を分けて見る方法を手順つきで紹介します。
虹は、水滴が太陽の光を分けた帯
太陽の光は、いろいろな色の光が混ざったものです。雨粒に入った光は、入るときに曲がり(屈折)、奥で反射します。出るときにも、もう一度曲がります。曲がり方は色ごとに少しずつ違うので、出てくる光は色ごとに別の向きへ分かれます。
名古屋市科学館の解説によると、雨粒から戻る光は、太陽の光と約42度の角度をなします。そのため虹は、太陽と正反対の方向を中心にした、半径約42度の円の上に見えます。外側が赤、内側が紫です。赤は約42度、紫は約40度なので、すべての色がこの約2度の幅にすき間なく並んでいます。
福岡管区気象台の解説は、雨粒の中で2回反射した光も取り上げています。この光は、ふつうの虹の外側に「副虹」を作ります。副虹は幅が広く、色の順番が逆です。現れる位置は、太陽と反対の方向から50〜53度ほどです。
2本そろって出たとき、そのあいだの空だけが暗く見えます。光が約42度と50〜53度に集まり、そのすき間にはほとんど届かないからです。この暗い帯は「アレクサンダーの暗帯」と呼ばれます。最初に書き残した、古代ギリシャの哲学者アフロディシアスのアレクサンドロスにちなむ名前です。
雨粒の中の光の道すじは、700年以上前から実験で確かめられてきました。14世紀ドイツの修道士フライベルクのテオドリックは、水を満たした球形のフラスコを雨粒に見立て、1307年に虹と副虹のでき方を説明しています。1637年にはデカルトも、水を入れた大きなガラス球で実験しました。そして、虹は1回、副虹は2回の反射でできると結論づけています。
7色に区切ったのはニュートン
ニュートンはプリズムで太陽の光を分け、1672年に赤・黄・緑・青・紫の5色として発表しました。のちに橙(オレンジ)と藍(インディゴ)を加えて7色にします。理由は、ドレミの音階が7音であることになぞらえたためです。7という数は観察の結果ではなく、ニュートンが当てはめた枠組みでした。
7色を数えようとして、藍だけ見つけられない人は多いはずです。原因は、色の名前が指す範囲のずれにあります。ニュートンが「青」と呼んだ色は今でいう水色(シアン)に近く、彼の「藍」が今の青にあたる、と研究者は指摘しています。
虹のほうは、何色と数えても困りません。どこで区切っても、境目は人が引いた線です。
庭のホースで虹を作る
虹の材料は、太陽の光と水の粒だけです。晴れた日に、庭やベランダで作れます。
- 晴れた日の朝か夕方を選ぶ(太陽が低い時間ほど、虹が高い位置に出る)
- 太陽に背を向けて立ち、地面に落ちた自分の頭の影を確かめる
- ホースの口を指でつぶすか、霧の出るノズルを付けて、細かい水しぶきを出す
- 頭の影の先の、斜め上の空中に向けてしぶきをまく
- 片目ずつ閉じて、虹の位置がずれるかを見る
頭の影の方向が、太陽と正反対の点です。虹はそこを中心とした半径約42度の円に出るので、影を目印にすると見つけやすくなります。立つ位置を変えると、光を返す水滴も入れ替わり、虹もついてきます。
手順5は、名古屋市科学館の人工虹の展示でも勧められている見方です。左目と右目では、見える虹の位置がずれます。両目で見ると、虹が立体的に浮かんで見えるのはこのためです。厳密には、1人の目それぞれに別の虹が見えています。
空の虹は、太陽が高すぎると地平線の下に隠れます。ウェザーニュースによると、東京の夏至のころは、8時半ごろから15時ごろまで太陽の高さが50度を超えます。夏の昼間に虹を見かけないのはこのためです。
プリズムと分光シートで光を分ける
ニュートンと同じ実験は、プリズム1本でできます。分光シート(回折格子)を使えば、照明の光がどんな色でできているかも見えます。
- 晴れた日に、窓から差し込む日光の通り道に白い紙を置く
- プリズムを日光に当て、ゆっくり回して、紙の上に色の帯が出る角度を探す
- 帯の色の移り変わりを見て、境目があるかを確かめる
- 夜、分光シートを目の前にかざして、白熱電球・LED電球・蛍光灯を順に見る
- 電球の横に出る色の帯を見比べ、切れ目や明るさの山があるかをメモする
プリズムや分光シート越しに、太陽そのものを見てはいけません。太陽を使うのは、紙に映す手順1〜3だけです。
| 光 | 分けたときの見え方 |
|---|---|
| 太陽の光・白熱電球 | 赤から紫まで途切れない帯(連続スペクトル) |
| 白色LED | 帯はつながるが、青・緑・赤のあたりが山のように明るい |
| 蛍光灯 | 離れた何本かの明るい線(輝線)。青や黄緑の線は中の水銀の光 |
山形県の理科の競技用資料によると、蛍光灯の中には水銀の蒸気が入っています。簡易分光器で見ると、波長436ナノメートルの青、546ナノメートルの黄緑などの線が並びます。水色と赤の線は、水銀ではなく蛍光の材料が出す光です。白く見える光でも、混ざっている色の中身はまったく違います。
虹は、太陽の光を分けた帯です。もとの光が途切れない帯なので、虹にも境目がありません。
虹や光の色を確かめる道具
光を分ける道具を、使い方の違う3点選びました。価格は2026年10月時点の楽天市場の表示です。
三角プリズム:1st Market 三角プリズム 長さ10cm 約1,000円。光学ガラスの三角柱で、日光を当てると紙の上に色の帯が出ます。
向いている人:ニュートンと同じ実験を、日光でまず試したい人。注意:輸入品で、日本語の説明書は付きません。ガラスなので、小さな子どもが使うときは落とさないよう見守ります。
分光シート:ケニス 分光シート 10枚組 約2,750円。10センチ四方の透明なシートに、1ミリあたり約250本の線を刻んだ簡易型の回折格子です。
向いている人:家族や友だちと、照明を見比べたい人。向かない人:1枚あれば足りる人には枚数が多めです。
簡易分光器キット:子ノ星教育社 ペーパー直視分光器 約480円。紙で組み立てる分光器で、のぞいた光の波長を目盛りで読めます。
向いている人:蛍光灯の線が何ナノメートルかまで確かめたい、小学校高学年以上の人。注意:組み立てが必要な工作キットです。
よくある疑問
- 虹のふもとまで行けますか?
- 行けません。虹は、自分の頭の影の方向を中心に、約42度の角度に見える光です。歩いて近づけば、光を返す水滴も入れ替わり、虹は同じだけ先に見え続けます。
- 虹は、なぜ円ではなく弧に見えるのですか?
- 虹はもともと円ですが、地面より下の部分が見えないからです。福岡管区気象台の解説のとおり、同じ角度にある雨粒は円を描くように並びます。地面に立つと、そのうち地平線より上の部分しか見えません。ホースで足もとまで水をまけば、地面すれすれまで続く虹や、円に近い虹も作れます。
まとめ
虹は、雨粒が太陽の光を色ごとに分けた帯で、赤から紫まで約2度の幅に切れ目なく並んでいます。7色という数は、1672年に5色と書いたニュートンが、のちに音階の7音に合わせて決めたものです。
次の晴れた日の夕方、太陽に背を向けてホースで水をまき、片目ずつ虹を見てみてください。夜には分光シートで蛍光灯をのぞくと、虹とは違う「切れ目のある光」が見えます。
参考にした資料